韓国の大巨人、崔洪万(チェ・ホンマン=25)が、K-1仕様のボディーを完成させた。29日(同30日)のK-1米国GPで、ザ・プレデター(35=米国)と対戦する。空手の正道会館に入門し、肉体改造に取り組んだ。必殺技のホンマンストレートを完成させ、5カ月ぶりの再起戦に手応えをつかんだ。先月からK-1の原点でもある大阪の正道会館に入門。元K-1選手で、同会館館長補佐の金泰泳氏(35)の指導のもと、1日4時間の練習をしてきた。最初はケガをしない歩き方など、基礎的な動きから学んだ。K-1仕様の肉体改造に取り組む最中、両ひじが真っすぐに伸びないという欠陥が見つかった。
韓国相撲シルム時代、重い相手を持ち上げ続けたせいで、ひじが伸び切らなくなっていた。ドクターからひじの筋を伸ばす治療を受け矯正に成功。大振りのフックだったパンチが鋭いホンマンストレートに変ぼうした。指導する金氏から「ひじが伸び切ることで、パンチが手元で伸びるしインパクトも強くなった」と太鼓判を押された。
プレデター戦では、ホンマンストレートを駆使して「攻撃は最大の防御なり」を実践する。前回のボンヤスキー戦では、前GP王者のローキックに苦しみ、防御で止まったところをさらに攻め立てられた。「今度は止まらない。防御は考えず、ずっと攻め続ける」と前戦の反省をいかし、攻撃的姿勢を貫く決意だ。
同じ横綱の金東郁らシルムから転向者が続出している。自己流を捨て、正道会館に入門したのも、追われる者の危機感があった。「後から来た人のことは意識している。良い試合を見せないといけない」。シルムのパイオニアとしての手本を見せるためにも、ホンマンストレートで勝つ。
◆崔のボンヤスキー戦VTR 05年11月のWORLD GP決勝戦の準々決勝で対戦した。GP2回制覇したボンヤスキーのローキックに苦戦。218センチの巨体はキックを受けるごとに揺らいだ。徹底したロー攻撃に、出足も止まり、見せ場をつくることはできなかった。0-3の大差判定負けで、デビュー以来の連勝が6でストップした。(日刊スポーツより)