全日本キック初登場の森指導員はK-1戦士・武蔵の実弟。武蔵同様、187センチの長身からひざ蹴り巧みなアウトボクシングを展開。02年10月にはK-1 MAXで江口真吾からダウンを奪った末に判定勝利を収めている。対する中村は藤原ジム中量級の第一人者。2月にはオランダで日本人初のAクラス勝利を収めたばかり。ムエタイスタイルで首相撲からの接近戦で勝負をかける。 全日本キックに乗り込んだ森指導員は、長いリーチからワンツーからハイキックとK-1スタイルで攻め込むが、中村は接近戦からのひじ打ちで森の額をカット。森はジャブで出足を止めるも、流血は止まらず、再三のドクターチェックが入る。セコンドの中迫、宮本は「もっと怒れ!」とゲキ。ドクターチェックにも「おでこなんて大丈夫。まだいけるいける」と続行を強くアピールしていく。
出血を止めた森は、強烈な左ミドルから右ストレート、さらに左ハイとうまさを見せる。しかし、中村も気持ちを切らさず、細かいジャブからひじ打ちで額を狙い撃ち。森も3Rに右ストレートを連打でヒット! さらに長い距離からの中村のパンチをかわし始めたところで試合終了。判定は30-30、30-29森、30-30でドロー。サドンデスマッチ恒例の延長ラウンドへ。
やや疲れの見える中村の出足を巧みな左ジャブで止める森。インファイトを望む中村を中に入れさせず、ジャブ、右アッパーとステップを使い、回り込んでいく。中村は前進しての右ストレートから首相撲を組みたいが、中村はそれをさせず。最後は森がボクシングで圧倒し、試合終了のゴング。延長第4ラウンドの判定は10-9森、10-10、10-9森の2-0で森が敵地で嬉しい判定勝利を収めた。古くから他流試合を多くこなす正道会館勢がセコンド含め、アウェーでの戦い方を熟知した末の勝利。